奇祭「せっぺとべ」

こんにちは。

ここ鹿児島は先週から梅雨入りして雨の多い日が続いています。宿周辺の田圃では田植えが始まりました。そんな田植えの豊穣を願うお祭り「せっぺとべ」が、お隣の日吉地区で開催されたので行ってきました。

「せっぺとべ」とは鹿児島弁ですが、「精一杯飛べ」という意味のようです。この言葉のとおり、田んぼの中で人々が輪になって歌い踊りながら飛び回るという奇祭で、400年以上前(桃山時代!)から伝わっているとのこと。

お祭りの日は、朝方に雨が降っていたものの、始まる頃には不思議と日差しが差してきて暑いほどの陽気となりました。神社で奉納をした後、皆でそぞろ歩きながら数百メートル離れた田圃に向かいます。田んぼに着くと、太く長い竹竿を垂直に保ちながら一人が田圃の中を横断します。竹竿持ちの周りでは4、5人がサポートについており、風に煽られたり足元を取られて竹竿がぐらつくと近寄って手助けします。どうにかこうにか向こう岸までの約50mほどを渡り切ると、田圃を囲む数百人の観客から暖かい拍手が送られます。

それが終わると田圃を渡り切った数十人が輪になって泥の中を飛び跳ねながら歌い踊ります。歌の内容は分からないのですが、おそらく地域に伝わる伝統民謡なのでしょう。一人がまず先陣を切って歌い始めると、お決まりの掛け声の部分でみんなが合唱するというスタイルで、延々とそれが繰り返されます。疲れてくると誰ともなく田圃の中に座り込み、しかしそれでも手拍子を打ちながら歌は続いていきます。

このエンドレスな光景を田圃を渡る南風に吹かれて眺めていると、祈りと生活がまだ一緒くたに息づいている場所に来たのだなという念がふつふつと湧いてくるのでした。というと少し大げさになってしまいますが、自然への畏敬と感謝があり続けたからこそ今まで続いてきたのだし、これからも続いていくのであろうと思います。

https://note.com/nishikado_2026

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